土にふれ、こころがひらく時間
まるんとでは、大阪府能勢町の畑と、奈良県三郷町の田んぼで、自然農法を基本とした農業体験を行っています。
畑で土に触れ、田んぼで苗を植える。小さな虫や鳥の姿をじっと見つめる。そんな何気ない体験のなかで、子どもたちは“言葉ではないやさしさ”に出会い、少しずつこころをゆるめていきます。
自然のなかでは、空気の味わいも違い、普段あまり感じることのない「本当のお腹の空き方」を体験する子もいます。素朴な食欲が湧き、五感が刺激され、こころも体も解放されていく姿をいつも見受けられます。
クーラーのない暑さの中で、スマホを手放し、土に触れることは決して楽なことばかりではありません。苗を植え、土をかぶせ、汗を流す作業に「しんどさ」もありますが、その手で育てた作物が実ったときの喜びと達成感は、他では得られないかけがえのない経験になります。
人との会話がつらいときでも、自然は静かに、やさしく迎えてくれます。自然からもらう「無言の癒し」は、子どもたちにとって、何より大きなこころの支えになってくれます。