「こころの力を育む場所」

~学校へ行けない子どもたちのこころに寄り添って~

学校に行きたくないという気持ちをもっているお子さんのこころには、たくさんの思いが詰まっています。

「行きたくない」と思っているのに、うまく言葉にできなかったり、誰かにその気持ちを否定されるのが怖かったり…。
「行かなきゃいけない」と分かっていても、どうしても動けなかったり…。
そんなとき、こころはぎゅっと固く閉じてしまいがちです。

でも、そんな子どもたちがまず出会ってほしいのは
「そのままのあなたで大丈夫だよ」と伝えてくれる人です。

評価されたり、励まされたりするよりも
「うんうん、そう思ってるんだね」と気持ちをそのまま受け止めてもらえることが
ぎゅっと固くなったこころを少しずつほどかれてていく第一歩になります。


小さな「できた!」が心の栄養になる

「絵を描けた」「お手伝いができた」「友だちとお話できた」
そんなささやかな“できた”の積み重ねが
「自分にもできることがある」と感じさせてくれます。

結果よりも、「今日ここまでがんばったよ」「やってみたよ」という
過程を大切にして、
スタッフや周りのみんなから「すごいね!」「がんばったね!」と
しっかり認めてもらえることが、子どもたちの自信へ繋がっていきます。


焦らず、ゆっくり。子どもには自分のペースがある

こころが元気になるには、時間がかかることもあります。
昨日は元気だったのに、今日はまた落ち込んでいる…。
そんなふうに、こころの調子には波が出ることは往々にしてあります。

でもそれは、自然なことです。
落ち込んだ先に、新しい気づきや変化の訪れの兆しであるかもしれません。
だからこそ、「大丈夫だよ」って信じて、子どもたちのそばに居続けることを大切にしています。


大自然や生き物からもらう“無言の癒し”

人と話すのがしんどいとき、自然は優しく迎えてくれます。
畑で土に触れたり、空を飛ぶ鳥や小さな虫たちの姿を見たりする中で
子どもたちは自然の“言葉じゃないやさしさ”を感じ取っていきます。

そうした体験が、少しずつこころをゆるめ、元気をくれるのです。


「怒ってもいい」「泣いてもいい」感情を安心して出せる場所

子どもたちが安心して感情を出せる場所
それは、「泣いても大丈夫」「怒ってもいいんだよ」と
受け止めてもらえる空間です。

感情を出すことは、悪いことではありません。
むしろ、出せることが、こころの回復のサインであり、こころの浄化の表れです。
そんな安心できる場所があることで、子どもたちは少しずつ本来の自分に戻っていきます。


最後に私たちスタッフができることは、
「こころを元気にさせよう」と無理に変えようとすることではなく

子ども自身の“戻っていく力”を信じて見守り、
こころが整っていく環境と、安心できる関係性を築いていくこと。

それが、子どものこころの力を取り戻すための、何よりの支えになると信じて取り組んでいます。

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